症   例   26
 性   別  生   年  診 断 名  疾患部位
 女  1974 クリッペル・ウェーバー症候群   左下肢全体〜腰の下
 症   状
・3歳頃に発症。ぶらんこから飛び降りて膝を大きな石にぶつけたが放置して入浴したことが契機であったと母から聞いた。診断のタイミングは覚えていないが、小学生の頃だったと思う。
・小学1年生頃までは運動にあまり支障がなく、足も速くてリレーの選手だった。
・小学2年生頃より、長距離を歩行すると痛みが出るように。2年生の時に盲腸の手術で全身麻酔をつかった際に、かなり腫れて痛みが強く出た。
・その後も、成長痛に合わせて徐々に痛みが強くなり左足の血管異常の範囲も広くなる。(当初は膝と膝下周辺のみだったのが腿のあたりまで出てきた。現在は腰の下あたりまで。右足や手は全く異常なし。)
・小学校中学年頃(詳細覚えていません)に、血管造影検査を行う。
・ 小学校高学年から医師の指示で体育を見学することが増える。遠足も他の生徒とは別行動。部活動は運動部は×。水泳も、バタ足をすると痛いので、痛みがない 時のみ。普通のスクール水着を着用していたので、足が露出していた。(今思うと水着は短パンスタイルのものにすればよかったかも。万一足を切るなどの怪我 をした場合に出血リスクもあり、学校に相談すれば対応しえもらえると思う。容姿(ミニスカートとか)にコンプレックスを抱き始めたのもこの頃。今思えば、 自然な感じのストッキングや、裾は長いけど可愛い服でうまく対処できたかも。)
・中学と高校も、体育は見学することが多かった。中学で無理してス ポーツ大会に出て走り幅跳びをした際に、左膝の半月板を損傷。治癒が遅く、その後も無理をしたため膝の痛みが強くなる。高校の時は、ダンス大会や体育祭に 出場したりして、さらに痛みが強くなる。冬の寒い時は特に痛みが強いので、冷えないよう下着をつけたりカイロで身体を温めたりした。腫れて傷みが強いとき は、冷湿布やアイスノン、痛み止めの薬(セデス等)が必要。松葉杖を使わないと歩けない時もあった。大学受験の時も痛くて集中力を保つのが大変だった。足 を下げていると痛みが酷くなるので、足を上げるのがよかった。携帯式の椅子などを使用。(この時期は、色々と挑戦してみたくなるけど、運動は控えめにする のが無難かも。あとは、喫煙など血管に良くないことは極力避けるのが望ましいかも。個人的には、飲酒は大量でなければ大丈夫かなと思う。息抜きも大事です ので。)
・大学時代に、医師や親の助言に反して体育会の部活に入り、練習などで無理をしたため、1年生の秋に左膝を疲労骨折する。入院。車椅子や 松葉杖を使用。足の角度を変えるために足底板を使う。2年生の時は、殆ど通学できずに自宅に引き篭もる。運転免許を取得し。3年生の時は車で通学。足の病 気のことを考えて、資格を取得することを決めた。(車を運転できるようになると行動範囲も広がり便利。)
・大学卒業後1年半は、資格試験の受験勉 強のため、手伝ってない家事手伝いをする。本など重いものをリュックサックで背負うが、足の痛みがしばしば出る。松葉杖か片手杖を使用。荷物は軽めが望ま しい。足の病気を理由に、受験会場は階段のない門に近い場所に確保してもらう。(受験のときなど、病気を理由に適宜特別な対処をしてもらうのが良い。拒否 されることは殆どないと思う。)
・研修生の時代は、足の病気を理由に、研修所の寮に特別に入寮させてもらう。(そうでなければ通所は困難だっ た。)車椅子も併用するが基本的には片手杖。社会研修の一環で老人ホームのお手伝いをした際に、足に負担がかかり強い痛みが出たことがある。腫れると血管 が弱くなるのか、風呂でナイロンブラシで足を擦った際に出血して、救急車でかかりつけの病院に行ったことがある。出血量はそれほどではなく大事には至ら ず。
・仕事を開始した後は、成長期が終わったからか、痛みは安定してくる。適度な歩行で両足の筋肉が鍛えられ、歩行が少し楽になる。片手杖を使 用。長距離の歩行は痛みが出るので、タクシーやバスを使用。痛みには、湿布(ミルタックス)と痛み止めを使用。(湿布薬は、皮膚への負担もあり、合う合わ ないがあるので、色々と試してみるのがよい。個人的には、第一三共のミルタックスと?のカトレップは、かぶれが出ていない。)
・30歳のときに米 国留学(1年間)。夫も海外勤務となり一緒に行けた。湿布と万一に備えての英文の病院紹介状を持参する。(結局、幸いにして、病院に行く必要のある事態は 発生せず。)通学時は、夫の車で送迎してもらったり交通機関をうまく使ったりして、歩行距離をできるだけ短くする努力をした。(米国は広いのでワンブロッ クを歩くにしても相当距離があるので、日本よりも大変。。)(足の病気のことがあり留学すべきか迷ったこともあるが、先進国であれば紹介状さえあれば、あ る程度安心して行けると思う。ただし、頼れる知人が傍にいるなどした方が、万一怪我した時などにはより安心か。)
・骨盤や子宮などにも血管腫があ る可能性があることや妊娠により静脈瘤が悪化するおそれがあるとのことで、出産は大きなリスクがあるとして医師より「やめた方がいい」とずっと言われてい たが、あきらめられず、帰国後、MRI(造影)やCTなど再度検査。都内の大学附属病院の産科と血管外科を受診。検査の結果、骨盤内には血管腫の酷いもの は見当たらない一方で、子宮周辺や膣壁に少し血管腫があるかもしれないとのことで、帝王切開であれば出産は可能と診断。妊娠中は、湿布薬は避けて、弾性ス トッキングを着用して痛みに対処。34歳のときに同病院で帝王切開で無事に出産。(もっと早い段階で弾性ストッキングを着用するよう医師から指示があった が、着用すると却って違和感でしんどかったので、着用していなかった。でも、着用すると足の血流が良くなり血栓予防にもなるし、今思うと着用しておけばよ かったかも…。何歳頃から着用するのがよいかは医師に要相談と思う。)
・35歳のときに、交通事故で左足大腿骨を骨折。手術すると出血多量で生命 に危険が出てくる可能性が高いとのことで、手術せずに保存療法で対応。今に至る。(怪我をすると一般の人よりも治りにくいので、気をつける。個人的には、 バイクやスキーなどは避けた方が無難と思う。)
    
そ の 他
 私の場合は、専門医になかなか巡り合えず、適切なアドバイスを受けられなかったために、かなり無理をしてしまい、症状が少しずつ悪くなってしまったという経緯があります。
幼少時より次の点にもっと留意しておけば症状が悪化せずに済んだのでは・・・と思うこともありますので、以下、簡単にではありますが、お伝えします。
なお、以下は、個人的な考えに過ぎませんので、詳細は専門医にご確認・ご相談ください。

◎専門の医師に早目に見てもらい適切な助言をもらうこと

私 は、大学時代から、都内の大学附属病院の血管外科を受診しています。医師からは、(1)圧迫ストッキングを履くこと(血流が停滞するのを防止して(2)の 血液の異常をできるだけ回避するため)、(2)血液検査で凝固系の数値を定期的にモニターすること(クリッペルの場合は血栓ができては溶かすという作用が 働きやすいので血小板・フィブリノゲン・Dダイマー等の数値に異常が出易く、異常が過ぎると血液が止まりにくくなり全身に影響が出る可能性があるた め)、(3)足からの出血を回避する(外傷を受けないように注意する)などのアドバイスを受けています。同病院では色々と症例を把握しているようです。

◎怪我をすると治りにくいので、あまり無茶をしないこと

私 は、運動好きのためかなり無茶をしてしまい(ex.禁止されているのにスポーツ大会やダンス大会などに出る、大学時代に体育会に入部する等)、左足に捻挫 や半月板損傷、疲労骨折などをしてしまいました。結局、治らずに、左足の膝関節が変形して曲がらなくなってしまいました。喫煙も良くないと思います。長時 間の歩行も悪影響を与えます。

◎痛みのコントロールに努めること

小学校高学年から大学時代にかけて、成長に伴い、痛みが 出易くなりました。(足に負担をかけると腫れて痛くなる。)痛い時は、無理せず安静にする。腫れがあるときは、冷湿布やアイスノンで冷やしたり、足を高く 上げて横になったりする。寒い時には冷やさないようにする。でも熱いお風呂に長時間はいると逆効果かと思います。

◎明るく人生を楽しむこと

色々と痛みや不自由はありますが、必ず乗り越えられます。
人の痛みを理解できる思いやりも培われますし、得られるものも多いので、気楽に、楽しく過ごしましょう!時には、泣いたり落ち込んだりすることもあるかもしれません、涙はデトックス効果があるので、じゃんじゃん流してスッキリしましょう!
私も、色々ありますが、とても幸せに暮らしています。皆様がこの病気とうまくお付き合いしながら幸せに過ごされますよう、同士としてお祈りしております。